今回は
VICTASから発売されている。
Vシリーズのラバーを一挙に比較してみようかと思います。
VICTASのラバー硬度の説明
まず、覚えればすぐなんですがわかりづらいと言われている、VICTASのスポンジ硬度の説明からしていきましょう。
VICTASではスポンジ硬度を表す時に、DoubleExtra・Extra・Stiff・Regular・Limberと現在は5種類に分けられて硬度を表しています。
対応するスポンジ硬度は
DoubleExtra (ダブルエキストラ) 50度以上
Extra (エキストラ) 47.5度
Stiff (スティフ) 45度
Regular (レギュラー) 42.5度
Limber (リンバー) 40度
となっております。2.5度刻みでスポンジ硬度を表しています。
V15までの初期のラバーではExtra・Stiff・Limberの3種類で展開していて、初中級者用ラバーを販売した際にRegularが追加、上級者用ラバーを販売した際にDoubleExtraが追加されました。
V>01シリーズ
さて早速V>01シリーズの性能的な説明をしていきましょう。
V01はVICTASがVシリーズとして一番最初に出したラバーです。
最初にV>01が発売(硬度はエキストラだけど最初の01だけ無印でした)
その後にV>01リンバーが発売(ここからラバーの後ろにスポンジ硬度を合わせています)
そして時間が空いて最後にV>01スティフが発売されました。
01シリーズは少し面倒で、01と01リンバーはスピード系のトップシートで回転も掛かりはするけど、一撃の威力を求めようというラバーです。
現在の重く回転のかからないプラスチックボール時代ではなく、セルロイドボール時代に開発されたため、正直トップ層が使用するかと言われると難しいラバーです。
V>01 【おススメ度 ★☆☆☆☆】
初・中級者向けです。
直線弾道で一撃の威力を求めて作られたラバーですが、案外打ちやすいラバーです。私が試打した限りでは、あまり威力は出なく、試打相手からも取りやすい球と言われてしまっていました。
V>01Limber 【おススメ度 ★☆☆☆☆】
初・中級者向けです。
リンバーは01よりも柔らかくなっているため扱いやすいラバーになっています。喰い込みが良いので安定した打球が打てますが、やはり一撃の威力というところではかけてしまいます。
V>01Stiff 【おススメ度 ★★★★☆】
初・中級者向けです。
01スティフは01・01リンバーと名前は一緒ですがトップシートが安定寄りになっています。回転が掛かりやすくなっていて、バランスが良くなっています。強打した時の飛び出しはあまり高く弧線が出ないため、台に入りやすいのも面白いです。
スポンジは硬度の違いだけなので弾みも極端に違いがないので、弾みすぎる事もなく安定していて2枚目で購入して実力がつくまで使用しても良いと思えるラバーです。私は割とおススメです。
V>01シリーズ総評
正直、今の時代に合わせるなら結構中途半端な位置にいるラバーで、私はV>01スティフなら、これから実力を伸ばしていく選手になら貼っても良いと思います。
01と01リンバーは、一撃で抜けるほど球のスピードも速くなく、回転もそこまで…なので01リンバーでバックに貼るぐらいしかないかなと思います。
01は…弾みを強くしたくない人が、フォアで回転掛けたくなくて表ソフトが嫌いという人が貼る か バックに硬目のラバーで回転を掛けたくない人が貼る と言った何それそんな人いるの?みたいな感じになってしまうかなと思います。
V>15シリーズ
続きまして15シリーズの説明をしていきます。
V>15は有名なラバーで丹羽孝希選手がVICTASと契約しV>15Extraを両面に使用していました。丹羽選手のプレーを見ればわかる通り、V15も威力を求めた一撃系のラバーに分類されると思います。
V15は
エキストラとリンバーが同時販売
スティフは少し遅れて販売
されています。
V15もなんと01を踏襲してしまいエキストラとリンバーはトップシートが一緒、スポンジは硬度違いとなっています。
違うところはトップ仕様という事です。直線的ながら回転も掛かりが良くぶっ飛びでなおかつ球が結構荒れるという、扱いづらさがあります。V15もセルロイド球時代に生まれたラバーなので、プラスチック球になり性能はマイルドになっています。
V>15Extra 【おススメ度 ★★★★☆】
中・上級者向けです。
硬めのトップシートで直線弾道・弾きの良さが売りのラバーです。
VICTASのハイエンドラバーの売りは01から一貫して一撃の威力を前面に出しているのかなと思います。ただ01と違い回転も掛かるし、スピードもあり、癖が強く、発売されてかなりの時間がたっていても今でも普通に良いラバーです。ラバー自体の癖が強く扱いきれるようになるには時間が必要なラバーなんじゃないかなと思います。あの丹羽選手でも慣れるのに時間がかかったと言われていますね。
ある程度打てるようになった人でラリーをあまりしたくないなら、15エキストラで先手先手を取り相手に後手を与えながらアグレッシブに戦う選手が向いているかなと思います。
V>15Limber 【おススメ度 ★★★☆☆】
中・上級者向けです。
トップシートはエキストラと同じ割と硬めので直線弾道ですが、スポンジが柔らかく喰い込むこともあり、弾道は少しマイルドになっていますね。その逆で速さや回転はスポンジが柔らかい分だけ威力が落ちています。安定感自体は結構高いラバーだと思います。ただ上達すればするほど、スポンジ硬度が硬くなっていく卓球選手の中で15リンバーの立ち位置ではトップ層には届かないかもしれません。
上級者で柔らかいラバーが使いたいという選手にはヒットするラバーだと思いますがニッチなところをついているラバーです。
V>15Stiff 【おススメ度 ★★★☆☆】
初・中・上級者向けです。
V15スティフは01同様でエキストラ・リンバーとトップシートが変更されていて弧線が出やすいシートになっています。弧線が高く、安定感とブロック性能に優れています。
01と違うのが、01は回転もかからようになり弧線があがり総合的にバランスがよくなったのに対し、15は回転や弾みなどをマイルドにし、弧線が高くなり安定感が増している点です。
01では01よりスティフの方が総合的にみてもおすすめできましたが、15の場合は攻撃面を犠牲にして安定感を出す形になります。上級者では威力が足りなくなるためラリーが得意な選手におススメです。
初級者ならその中でも実力がついてきた選手が使用するとよいかなと思います。
V>15シリーズ総評
今でも普通に扱えるラバーです。実際スティフ以外はかなり尖った立ち位置をしていて、一定の需要はあるような気がします。
スティフは逆にマイルドすぎて立ち位置が難しくなってしまっていますね。
かなり性能が変わっており、エキストラの打感は好きだけど硬いからスティフにしよう、と言った変更だと威力が出なく難しい。また、スティフの打感が好きだけど威力を上げたいからエキストラも難しいです。
V>11
V>11Extra 【おススメ度 ★★★☆☆】
中・上級者向け
V>15エキストラの弟分で、その他のラバーはハイエナジーテンションと謡われているところ、ライトニングテンションと子供に刺さりそうな名前のテンション名です(笑)
トップシートは15エキストラを踏襲しつつ、柔らかめになり喰い込みが良くなっていて、スポンジは軽くしつつ弾みはできる限りそのままにしています。ラバー全体で10%ほど軽くしているそうです。
全体的な性能は15エキストラにかなわないですが、11エキストラの方が15スティフよりも15エキストラに近く、まだまだ身体が出来ていない選手にはV>15エキストラを使用前にV>11エキストラを使用するのが良いかなと思います。
ラバーの重量が軽く、上級者がバックで使用するなども出来るため、汎用性も高く15よりも若干マイルドになっているので中級者のフォアの使用も良いのではないかと思います。
V>11はスティフをトップシートこのままに売り出していれば売れたんじゃないかんと思ってしまいますね。
VJ>07シリーズ
VJシリーズは今までのラバーと違いVの後ろにJがついていますね。01・15・11はドイツ製ラバーでしたがVJシリーズは日本製ラバーとなっています。
現在日本製ラバーは、あまり良いラバーがなく、初・中級者向けのラバーが多くみられます。日本製のトップ向けもあるにはありますが売れすぎているという事もなく一定の評価ぐらいで留まっています。勘違いしてはいけないですが、BUTTERFLYやMIZUNOは自社生産で日本製ではありますが外注していないため日本製の括りには入れていません。
VJシリーズは、初心者・初級者向けラバーで、StickyExtra・Stiff・Regular・Limberと4種類が販売され、その後VJ>NEXTが販売されていましたが現在はStickyExtraとLimberは廃盤となっています。
スティッキーエキストラはVICTASが出しているTRIPLEシリーズ・リンバーは01リンバーや03などと性能に突出した差がなく、カニバってしまったんでしょうね。
今回はスティッキーエキストラとリンバーは除外して紹介していきましょう。
VJ>07Stiff 【おススメ度 ★★★☆☆】
初級者向けです。
初・中級者向けにドライブ主戦型用ラバーとして販売されています。スピン・コントロールを主題に置いているのですが、弾みが結構強く15エキストラに向けた飛ばし方を学ぶためのラバーといった印象です。テンション系入門ラバーなんですが結構ぶっ飛んでいてスピード性能に優れています。
近い性能では01スティフが比較対象になるかと思います。回転は01スティフ、飛距離は07スティフといった印象ですね。シートの硬さは01スティフの方が上なので、性能の限界値では01スティフの方が上で長く使えるかなという印象です。01と07のスティフでは性能が似ているのでいっその事01を初心者用にしてもいいのではないかと思ってしまいます。
VJ>07Regular 【おススメ度 ★★☆☆☆】
初心者向けです。
VICTASのラバー展開で難しい所の一つでなぜか同じシリーズのラバーでレギュラーだけが高弾性という買う側の事を考えてくれていないラバーです(笑)
VICTASのホームページでの紹介ではBeginnerとは書かれていませんが、高弾性ラバーはビギナー向けだと思います。
回転系高弾性ラバーと書かれている通り、回転もそこそこかかり、弾みも強くなく初心者が初めて使用する事に適したラバーではあると思います。
VJ>NEXT 【おススメ度 ★★★☆☆】
初心者向けです。
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なぜかカニバっている07シリーズ二つ目の高弾性ラバーです。どちらか一方で良いんじゃないか?と疑問が出てしまいますね。07レギュラーより回転の掛かりもスピードも弱いのですが、値段が格段に安いです。
VICTASのホームぺージでの紹介ではBeginnerと書かれておりこちらが初心者向けみたいですが、ぶっちゃけ性能の差はそこまでありませんし、初めて卓球する時に購入するなら子のラバーでも良いかなと思います。
VJ>07シリーズ総評
07シリーズはどのラバーもカニバっている状態で、どっちが消えるのかといった状態です。VJ>07StiffはV>01Stiffと似ていて、VJ>07レギュラーは今回紹介していませんがVENTUS Regular αの劣化版、VJ>NEXTは値段の安さから良いかもと思いきやVENTUS Regularの方が安いという事実…
日本製ラバーを残していきたいのかもしれませんが性能の差があまりないのが問題なので日本製で尖った性能を追求したりなどラバーを選ぶ時に被らない方がわかりやすいと思いますし、面白いんじゃないかなと思います。
V>03
V>03 【おススメ度 ★★★☆☆】
初・中級者向けです。
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今度はRegularの名前がつかずの42.5度のテンションラバーV>03の紹介です。
V>01は初めてのラバーだから理解できましたが、なんで今回はRegularを付けなかったのか…他のラバーを見たらRegularは高弾性にばかりついている事からRegularは42.5度で高弾性にしかつかないのか謎は深まるばかりです。
それでなくてもわかりづらく、英語で硬度を表しているのだから、表記は統一していかないと買い手側が混乱してしまいますよね…なんかさっきも同じことを書いたような…
性能はV15リンバーの性能を少しマイルドにしてスポンジが硬くなったような性能です。15ほど性能は高くなく、回転の掛かりも良くはありませんが、ミートがやりやすく、扱いやすいラバーに仕上げています。
正直初心者用ラバーが多すぎる気がします。弧線系、直線系、スピード系、回転系など判りやすくまとめていかないと混乱してしまいますね。
それでなくてもパッケージも似ているのですから、混乱させない工夫が必要だと思います。
V>20シリーズ
V>20シリーズは、BUTTERFLYからVICTASの契約に代わった岸川聖也アドバイザリースタッフが開発関わったラバーです。キーワードが「許容」と「遊び」という今までコンセプトを明確に言葉にしてこなかったが、しっかりコンセプトを言葉にしてきた面白いラバーです。
性能的にハイエンドラバーっぽさを出さずに販売されましたが、ハイエンドラバーのカテゴリで問題ないほど高いです。ただ、ラバー展開が硬めであり扱うにそれなりの腕が必要になってきます。
価格が最近のハイエンドラバーとしては安いので、安く抑えたい人はこのラバーおススメです。
V>20DoubleExtra 【おススメ度 ★★★★★】
中・上級者向けです。
[rakuten:lafitte:10724070:detail]
20Dエキストラは、岸川氏がVICTASの契約にあたり、自分が扱えるラバーを探した結果尖りすぎたラバーばかりだったため作られたのではないかと思っています。
安定したラバーを作りたくて岸川氏が開発にかかわったのか、岸川氏が扱いたいラバーがないから開発したのか…どちらなんでしょうかね。
もともとBUTTERFLY契約時にはテナジー05やディグ05を使用していたので、VICTAS契約になった時のラバーでは難しかったのではないでしょうか。
20Dエキストラはシートが柔らかめで掴みが良く扱いやすいラバーに思えますが、スポンジ硬度が52.5度とかなり硬めで弾みが良いラバーです。シートが柔らかく敏感でないため、少し間違ったタイミングでも入るようになっている、それが許容と遊びなんだと思います。
シートが柔らかく掴みが良いのですが、スポンジは硬いのでインパクト時のパワーはある程度必要になります。あくまでもハードヒッター用です。
安定感を求めるラバーをVICTASで探すならV>20DoubleExtraはおススメのラバーになります。
ちなみにダブルエキストラは50度以上なので52.5度でも55度でもダブルエキストラになるようです。これからどうなるかはわかりませんが、混乱ポイントの一つですね(笑)
V>20Extra 【おススメ度 ★★★★★】
中・上級者向けです。
[rakuten:yttr:10002038:detail]
20Dエキストラの硬度を47.5度まで落としたラバーです。流石に5度も落ちたら同じシリーズでも性能に差が出てくると思います。20Dエキストラと比べてかなり性能はマイルドになり最大値がかなり落ちます。その分シートとスポンジに一体感が出るため掴みが良くなっており、安定感があります。一撃ズドンではなく、ラバー全体で掴み飛ばしていくような形になっていきますね。
ラリーを続けたい選手や安定感を求める選手には良いラバーだと思います。
V>20シリーズ総評
結論はVICTASっぽさがないラバーです。VICTASで近いラバーはVENTUS Extraが一番近いものになりますが、シートの柔らかさが違うので同一系統のラバーではないですね。
20Dエキストラは威力もあるし、スポンジが硬いから打ち負けない、シートの柔らかさで喰い込みも確保できる、回転もシートが喰って掛けやすい。悪いところはあまり見当たりません。※私はシートが喰い込みよくてブロックがぶっ飛んで行ってしまい使えませんでした。ブロックの触り方は注意が必要かもしれません。
20エキストラは、安定感があり、弧線も良く、シートとスポンジで掴む感覚に優れています。ブロックも安定するのでプレー全体に安定感がありますね、威力には若干掛けるのでラリータイプにおススメです。
V20シリーズはV15と価格帯が一緒で安いのもポイントですね。最近は平気で9,000円~10,000円という買い手のお財布に大打撃を与えるラバーが多い中税込み7,150円で割引してくれるお店なら4,000円台もあり得ます。
VICTASはこのラバーでStiffや50度とかで作ってほしいですね。
V>22
V>22DoubleExtra 【おススメ度 ★★★★★】
[rakuten:ttf-kozonoe:10011721:detail]
V22DエキストラはVICTASが販売した現在のハイエンドラバーです。V20と比べて安定感はなくTHE一撃を目指したラバーです。V15エキストラの後継ラバーです。
V15と比べると少しシートが柔らかくなったように感じますが、スポンジが50度と硬く、弾みとスピードは上がっているように感じます。暴れ馬感もそのまま継承しており、直線弾道で扱いが難しい独特のラバーです。回転を掛けている感覚はなく掴んだ感じもなく回転が掛かっているため、ラバーになれる時間が必要なのはV15エキストラ同様に感じましたね。
今回はVICTASのVシリーズのラバーを紹介していきました!ありがとうございました。